自民・豊田氏が離党届 秘書暴行報道めぐり
自民党の豊田真由子衆院議員(埼玉4区、当選2回)は22日、秘書への暴行や暴言が週刊誌に報じられたことを受け、事務所関係者を通じて党本部に離党届を提出した。党執行部が東京都議選(23日告示―7月2日投票)への影響を懸念し、速やかな対応を促した。同党では政権奪還した2012年の衆院選で初当選した2回生議員の不祥事が相次いでいる。
22日発売の「週刊新潮」によると、豊田氏は5月、運転中の男性秘書(当時)に対し、後部座席から罵声を浴びせながら頭や顔を繰り返し殴ってけがをさせた。豊田氏の事務所関係者は「週刊誌が報じている通りだ。おわびするしかない」と語った。男性はすでに退職したという。
豊田氏は1974年生まれで、米ハーバード大院を修了。厚生労働省課長補佐などを経て、自民党の候補者公募に応じ、12年の衆院選で初当選した。文部科学・内閣府・復興政務官を務めた。
安倍晋三首相(党総裁)は22日、首相官邸で下村博文幹事長代行と会い、豊田氏の離党届提出について「やむを得ない」と述べた。自民党は豊田氏と元秘書の和解に向けた話し合いを踏まえ、党紀委員会で離党届の扱いを協議する。下村氏は記者団に「本人は精神的に混乱している。きょう入院した」と述べた。
菅義偉官房長官は22日の記者会見で「自らの言動にしっかり責任をもつのは当然だ」と強調した。自民党幹部は「都議選への影響がないとは言えない」と話す。
自民党の河村建夫元官房長官は首相官邸で記者団に「男の代議士なんかあんなのいっぱいいる。あんなもんじゃすまないくらいだ。気持ちとしてはわかる」と擁護。その後、自身のフェイスブックで発言を撤回した。
民進党の蓮舫代表は記者会見で豊田氏に議員辞職を促した。「自民党を辞めさせて終わらせる問題ではない。国会議員としての資質があるとは到底思えない。一日も早く説明し、出処進退を明らかにすべきではないか」と述べた。
豊田氏を含め、自民党では2回生議員による問題が相次いでいる。16年には「育休宣言」で話題を集めながら女性との不倫が発覚した宮崎謙介氏が議員辞職。今年4月には中川俊直氏が女性問題で離党した。
下村氏は2回生への指導について「きめ細かく、必要に応じてフォローする必要があると改めて感じた」と党本部で記者団に語った。