北大やシンクタンク、農業の経営力向上プロジェクト始動
北海道大学と北海道農業協同組合中央会(JA北海道中央会)、北海道二十一世紀総合研究所(札幌市)などは、道内農業事業者の所得増大や経営コスト削減、経営人材育成を目指す「北海道アグリ・フードプロジェクト」を発足させた。生産の現場に先端技術の導入を促す商談会や経営セミナーを開催して、農業の競争力を高める。
プロジェクトの実行委員会が24日に発足した。コンサルティングの日本能率協会(東京・千代田)なども入った。北大大学院農学研究院長の横田篤教授が委員長に就いた。
まず11月22~23日、農と食をテーマにした商談会を札幌市内で開催する。ドローン・人工知能(AI)といった先端技術を生かした農業関連技術を提供する企業や、食品加工企業など80社が出展する。生産者や流通事業者、消費者など1万人の来場者に情報を発信する。最新技術を生産者らに広く伝え、生産体制の効率化や収益向上につなげる。
北大のIT(情報技術)研究も生かして農業経営者の経営革新を狙う。プロジェクトの委員に入った北大産学・地域協働推進機構の山本強副機構長は「担い手が減る道内の農業を支えるには、効率的にもうかる農業を確立しなくてはいけない。産業の流れの効率化にはITが貢献できる。農業の経営革新を促したい」と意気込んでいる。
北海道二十一世紀総合研究所の中村栄作社長は「農業は北海道の基幹産業。マーケティング力の拡充と経営人材の育成の2本柱で、農業従事者の所得の増大や、新規参入を後押しして、地域経済の活性化につなげたい」と話す。
関連企業・業界