NHK、東京・渋谷の放送センター1700億円で建て替え
NHKは30日、東京都渋谷区にある放送センターを1700億円で建て替えると発表した。現在地での建て替えとなるため、工期を2回に分ける。2020年の東京五輪後に着工して、25年に一部の供用を開始、全面完成は36年になる予定だ。
新センターは報道番組の制作など放送基幹設備などを持つ情報棟を1期工事として600億円かけて建設する。その後、既存の建物を順次解体しながら残り2つの建物を建設する。NHKホールは現在のまま残す。
NHKはこれまでの利益を基に積み立ててきた建設積立資産が2015年度末で1627億円ある。建設費の大半はこの取り崩しで賄う見通し。
今回発表した1700億円は概算であるうえ、建物だけの費用で放送設備の費用などは含まない。減価償却期間が過ぎた放送設備を建て替えまで使用するなど「従来の設備投資の範囲で対応するように努める」としているが、工事が複雑で工期も長く、設備の入れ替えが計画通り進むかなど不透明な要因も多い。
NHKの収益は受信料から成り立っており、全体の建設費が膨らめば批判を受ける可能性もある。現在のセンターは最も古いもので1965年に建設された建物もある。