NEC社長「IoTで世界の課題解決に貢献」
デジタル分野の技術や展望を話し合う「世界デジタルサミット2017」(日本経済新聞社・総務省主催)は30日午前、イイノホール(東京・内幸町)で2日目の討議に入った。「IoTが拓くイノベーションと成長」をテーマに議論は進み、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を使った新サービスの普及が一段と加速するとの指摘が相次いだ。
富士通の田中達也社長は講演で「デジタル技術によって、世界が大きく変化しようとしている」と話した。製造業や流通業、交通、金融などあらゆる分野にIoTが浸透しつつあり「画期的な事業モデルが次々と生まれている」と指摘した。人工知能(AI)の重要性にも触れ「AIの高度化はコンピューターの高速化が鍵を握る」と語った。
NECの新野隆社長は「デジタル化の流れはデジタル産業革命と呼べるほどの衝撃がある」と述べた。2020年にはセンサー類も含め、IoT関連の電子部品が世界中に数兆個普及するとの予測を紹介。「センシングや画像認識技術を駆使した新事業を通じ、世界中の社会課題の解決に貢献していく」と語った。
みずほフィナンシャルグループはベンチャーキャピタルなどと共同で、6月に仮想通貨技術「ブロックチェーン」を手がける新会社を立ち上げる。山田大介常務執行役員は「貿易金融などに活用すれば、低コストで迅速なサービスが可能になる」と語った。