松山圧巻、全英OP優勝争い名乗り 悪天候負けず猛追
2010年初日にはマキロイが大会タイ記録の63をマークしている。セントアンドルーズはコース自体はさほど難しくはない。ただ海沿いだけに風が強く、天候でスコアが大きく左右される。5年前も2日目に強風でグリーン上のボールが動き、1時間中断した。
64位から出た第2ラウンドで1番から怒とうのバーディーラッシュ。6打伸ばして一気に優勝争いに名乗りをあげた松山も"難敵"に振り回されている。激しい雨風で3時間以上中断した前日は午後10時前までプレーし日没サスペンデッドに。第3日は朝7時すぎに再開。その間約9時間だから、十分に体を休める暇はなかっただろう。
上空の雲の流れは速く、台風並みの猛烈な風が吹き荒れた。14番グリーンからプレーを始めた同組のD・ジョンソンは風に災いされボギーだ。一方、15番(パー4)のティーショットが最初のお仕事の松山は、それを横目にぴょんぴょんジャンプしたり、ティーインググラウンドそばでストレッチをしたり。体を温め、準備に余念がない。
第1打は右からの横風に流され薄いラフに落ちたが、第2打はしっかりグリーンをとらえた。7メートルのバーディーパットを寄せ無難にパー。タッチは悪くなさそうだ。厳しいトレーニングで鍛えあげた下半身は大地に根を下ろし、ちょっとやそっとの風では揺るがない。ショットは実に力強い。
前日の快進撃の余韻を残し好プレーが期待されたのに、わずか20分ほどで「プォーン」とホーンの音。またもや競技中断だ。主催者のR&A(ロイヤル・アンド・エンシェントクラブ)によると「突風が10~15%も強まった」せい。この日の中断は7時間を超えた。メジャー初制覇をかけた松山の、強風、コースとの長い長い戦いが続く。(吉良幸雄)