「死の町」「最後は金目」…繰り返される不適切発言

東日本大震災の被災地を巡っては、過去にも政治家らによる不適切な発言が繰り返されてきた。

民主党政権下の2011年に松本龍復興担当相が被災地訪問中に「知恵を出さないやつは助けない」と発言したほか、鉢呂吉雄経済産業相も福島第1原子力発電所周辺を「死の町」と表現して辞任に追い込まれた。

自民党政権になってからも「（原発事故で）死亡者が出ている状況ではない」（13年6月、高市早苗政調会長）、「（中間貯蔵施設建設に関連して）最後は金目」（14年6月、石原伸晃環境相）などと発言し、いずれも後に謝罪している。

政治家にとどまらない。住宅設備大手、LIXILグループの瀬戸欣哉社長が「放射能の影響で大きくなりました」と述べたほか、社会人ラグビーの選手が試合中に震災に絡めた暴言を吐き、チームが1カ月活動自粛する問題もあった。

問題発言が相次ぐことについて日本大の好井裕明教授（社会学）は「日本には謝罪して撤回すれば終わり、という文化がある。発言の何がいけなかったのかきちんと反省しなければ失言はなくならない」とみる。