日本赤軍メンバー城崎容疑者を逮捕 米から強制送還
1977年に日航機が乗っ取られたダッカ事件で「超法規的措置」により釈放されて出国し、別の事件で米国で刑に服していた日本赤軍メンバー、城崎勉容疑者(67)=国際手配=が20日午後、帰国した。警視庁公安部は同日、殺人未遂と現住建造物等放火未遂の疑いで逮捕した。
警視庁は特別捜査本部を設置。86年にインドネシアの日米両国の大使館に迫撃弾が撃ち込まれた「ジャカルタ事件」などについて調べる。
逮捕容疑は86年5月、ジャカルタの日本大使館にいた人を迫撃弾で殺害しようとしたほか、大使館近くにある発射地点のホテルで部屋に火をつけようとした疑い。
公安部は城崎容疑者の認否を明らかにしていない。捜査関係者によると、この部屋から城崎容疑者の指紋が見つかった。公安部は証拠隠滅のために放火しようとしたとみている。
公安部は92年に城崎容疑者を現住建造物等放火未遂容疑で国際手配。その後、殺人未遂容疑でも逮捕状を取った。
公安部によると、城崎容疑者は共産同赤軍派による連続金融機関強盗事件(M作戦)で服役し、ダッカ事件で釈放され日本赤軍に合流した。96年に米当局が逮捕し、禁錮30年の刑期が短縮され今年1月16日に釈放、日本に強制送還された。
城崎容疑者が乗った航空機は20日午後3時半ごろ、成田空港に到着。一般乗客が降りた後に到着ロビーに姿を現した。両脇をスーツ姿の捜査員に挟まれ、報道陣の前を無言のまま通り過ぎた。