作曲家の船村徹氏が死去 「矢切の渡し」や「兄弟船」
「王将」「矢切の渡し」などのヒット曲を数多く手掛けた作曲家の船村徹(ふなむら・とおる、本名=福田博郎=ふくだ・ひろお)さんが16日、死去した。84歳だった。
栃木県塩谷町出身。東洋音楽学校(現東京音楽大学)のピアノ科で学んだ。1955年に早世した作詞家、高野公男と組んだ「別れの一本杉」が大ヒットし、出世作となった。
78年にギター1本を携えて全国を歌いながら回る「演歌巡礼」を開始。刑務所などへの慰問活動にも取り組んだ。
作曲家生活60年余りで約5000の楽曲を生み出し、戦後の歌謡史に大きな足跡を残した。代表作は戦後初のミリオンセラーとなった「王将」のほか、「兄弟船」「北の大地」「みだれ髪」「風雪ながれ旅」など。83年に細川たかしさんの「矢切の渡し」、91年に北島三郎さんの「北の大地」が日本レコード大賞を受賞した。
横綱審議委員会の委員や日本作曲家協会会長、日本音楽著作権協会会長を務めた。2008年に文化功労者に選ばれた時は「演歌は日本人の血液」とコメント。16年に文化勲章を受章した。
02年5月、日本経済新聞に「私の履歴書」を連載した。