文楽の芸名「太夫」に戻します 「大夫」から60年ぶり
文楽協会と日本芸術文化振興会は14日、人形浄瑠璃文楽の語り手である太夫の芸名表記「○○大夫」を「○○太夫」に戻すと発表した。4月2日に初日を迎える国立文楽劇場(大阪市)の公演から変える。芸名で「太」の字の点が復活するのは約60年ぶり。
語り手一同から、江戸前期に義太夫節を創始した竹本義太夫と同じ表記にしたいと申し出があった。芸名表記が「太夫」から「大夫」になった理由は諸説あるが、戦後屈指の名人として知られる豊竹山城少掾(やましろのしょうじょう)が提唱したとの説が有力。1953~54年に「大夫」に統一し、三味線や人形遣いと並ぶ職分としての表記は「太夫」と使い分けていた。