「否認すれば牢屋」警察官が中学生に自白強要、警視庁が謝罪
警視庁高井戸署の署員が2015年、万引きへの関与が疑われた中学3年の少年2人の事情聴取で「否認すれば牢屋(ろうや)に入れる」「高校なんか行かせねえぞ」などと暴言を浴びせ、自白を強要していたことが10日、分かった。少年側から人権救済の申し立てを受けて調査していた東京弁護士会が明らかにし、同日付で同署長宛ての警告書を出した。
警視庁は事実関係を認め、聴取を担当した署員2人を注意処分とした。 同弁護士会などによると、暴言を受けたのは当時14歳と15歳だった2人。15年12月に起きた万引き事件に絡み、同級生に万引きを強要した疑いがあるとして、高井戸署の50代の警部補と40代の巡査部長が任意で事情聴取した。少年の1人が親の勧めでICレコーダーで録音していた。
2人は事件への関与を否定したが、警部補らは黙秘権を告知せず「否認すれば間違いなく牢屋に入れる」「鑑別でも少年院でもぶち込むしかない」「高校なんか行かせねえぞ」などと発言した。2人は一時、強要したことを認めたが、最終的に万引きへの関与は認められなかった。
暴言を受けた少年2人の父親は10日、記者会見し、「受験を控えた中学生に絶望的なダメージを与えた警察に深い憤りを感じる」などと批判。代理人の弁護士が録音データを公表した。警視庁の森本敦司・生活安全総務課長は「今回の事案を真摯に受け止め、再発防止に取り組んでいきたい」とのコメントを出した。