VW排ガス不正でポルシェ元取締役逮捕 独紙報道
【フランクフルト=深尾幸生】独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題で子会社独ポルシェの元取締役が逮捕されたと、独紙「南ドイツ新聞」(電子版)が28日報じた。排ガス不正に関連して主要子会社の取締役経験者が逮捕されたのは初めて。この人物は事件後に辞任したマルティン・ヴィンターコーンVW前社長の側近とされる。原因究明に向け、捜査が新しい段階に入った。 報道によると、逮捕されたのはウォルフガング・ハッツ元取締役。検察当局は「事件で重要な役割を担った」とみているという。VWの排ガス不正問題では米国とドイツで逮捕者が出ているが、取締役級が逮捕されたのは初めて。
ハッツ氏はVW子会社の独アウディやVW本体でエンジンなどの開発責任者を務めた。2015年の事件発覚時はポルシェの開発担当取締役だった。
ハッツ氏は事件に関与した可能性があるとして停職処分を受け、取締役を外れた。しかしポルシェは内部調査の結果、関与は認められなかったとしている。
これとは別にミュンヘンの検察当局は28日、排ガス不正に関連してアウディの関係者を逮捕したことを明らかにした。同検察は7月にもアウディの元社員を逮捕していた。事件発覚から2年が過ぎたが、捜査の範囲は徐々に広がっている。