米国株、ダウ3日続伸し162ドル高 米中貿易摩擦の緩和期待で
【NQNニューヨーク=古江敦子】17日の米株式相場は3日続伸した。ダウ工業株30種平均は前日比162ドル94セント(0.7%)高の2万4370ドル10セントとほぼ1カ月ぶりの高値で終えた。米政府が対中関税の引き下げを検討していると伝わり、米中貿易摩擦への懸念が後退した。投資家心理が強気に傾き、中国関連を中心に幅広い銘柄に買いが入った。
ダウ・ジョーンズ通信が17日午後、ムニューシン米財務長官が対中追加関税の一部もしくは全ての撤回を提案していると伝えた。実現すれば米中摩擦が収束し、金融市場の安定と世界景気の減速に歯止めがかかるとの期待が広がった。
報道を受け、ダウ平均の上げ幅は一時260ドルを超えた。中国売上比率が高い建機のキャタピラーや航空機のボーイングが大幅に上昇。アップルや化学のダウ・デュポンも相場を押し上げた。
ただ、取引終了にかけて伸び悩む場面もあった。貿易協議の責任者である対中強硬派のライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が反対しているとも伝わり、関税引き下げが実現するかどうかは不透明との見方が浮上し、買いの勢いが鈍った。
朝方は米企業業績の不透明感から、相場は下げる場面が多かった。金融大手のモルガン・スタンレーが低調な決算を発表し、一時6%余り下げた。前日夕に決算を発表した非鉄のアルコアにも売りが先行した。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は前日比49.770ポイント(0.7%)高の7084.463とほぼ1カ月ぶりの高値で終了した。アマゾン・ドット・コムやマイクロソフト、アルファベット(グーグル)など主要株が上昇した。