米国株、ダウ平均反発し311ドル高 米中対立への過度な懸念後退
【NQNニューヨーク=岩本貴子】6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反発した。前日比311ドル78セント(1.2%)高の2万6029ドル52セントで終え、2営業日ぶりに2万6000台を回復した。中国当局が元安進行を抑制する姿勢を示し、米中貿易戦争への過度な懸念が和らいだ。5日に767ドル安と今年最大の下げとなった反動で、自律反発狙いの買いも入りやすかった。
午前中は不安定な動きとなり、ダウ平均は朝方に200ドルを超える上げで始まった後に小幅安に転じる場面もあった。売り一巡後は午後にかけてじり高となり、ダウ平均はこの日の最高値圏で取引を終えた。
米財務省は5日夕に中国を「為替操作国」に指定したが、中国人民銀行(中央銀行)は6日に人民元レートの対ドル基準値を市場実勢より人民元高に設定した。人民銀は同日の声明で「為替を貿易戦争の道具に使ったことはないし、使うこともできない」と述べた。米国への対抗策として通貨安を仕掛けるとの見方が後退した。
午後に入り買いの勢いが強まった。ナイキやIT(情報技術)機器のシスコシステムズといった前日に大きく下げた銘柄が買われた。マクドナルドやコカ・コーラといった業績が景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄にも資金が向かった。前日のダウ平均は長期的な株価の推移を示す200日移動平均線に迫ったが、6日は一度も同平均線を下回らず、投資家心理の支えになったとの見方もあった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は7営業日ぶりに反発し、前日比107.225ポイント(1.4%)高の7833.265で終えた。中国生産比率が高く、前日に売られたアップルは1.9%高と反発した。