米国株、ダウ続落し171ドル安 ハイテク株に利益確定売り、ナスダック反落
【NQNニューヨーク=森田理恵】13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比171ドル58セント(0.7%)安の2万5007ドル03セントで終えた。金利低下でゴールドマン・サックスなど銀行株が下落。主力ハイテク株にも利益確定売りが広がり、アップルやマイクロソフトが下げてダウ平均を押し下げた。取引終盤に下げ幅を広げ、一時は230ドル超下落した。
朝方は高く始まった。取引開始前に発表された2月の消費者物価指数(CPI)は、エネルギー・食品を除くコア指数の伸びが1月分から縮小し、市場予想並みにとどまった。利上げ加速への警戒が薄れ、株買いが広がった。
ただ、低調な物価指標を手掛かりに債券市場では長期金利が低下。利ざや縮小への懸念から次第に銀行株への売りが強まり、相場の重荷になった。
政策の先行き不透明感も利益確定売りを誘った。トランプ米大統領は13日朝、ツイッターでティラーソン米国務長官を解任すると発表。保護主義的な貿易政策への懸念が残るなか、ティラーソン氏の解任で外交面でも不透明感が強まるとして「解任理由など詳細を見極めたい」(米運用会社)との声が聞かれた。
トランプ氏は前日夕、安全保障上の懸念を理由にブロードコムによるクアルコム買収を禁じると表明したことも投資家心理を冷やしたという。クアルコム株の売りにつながったうえ、半導体業界の再編期待もしぼんだ。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は8営業日ぶりに反落し、前日比77.313ポイント(1.0%)低い7511.012で終えた。前日まで連日で最高値を更新した反動で、アルファベット(グーグル)やフェイスブックなど主力株の一角に利益確定売りが出た。
業種別S&P500種株価指数は全11業種のうち「IT(情報技術)」「金融」など8業種が下げた。一方、「素材」「公益事業」は上げた。
ゼネラル・エレクトリック(GE)が下落。JPモルガンのアナリストが目標株価を大幅に引き下げたのが嫌気された。
クアルコム買収に伴う財務負担への懸念が後退し、ブロードコムは上昇。クアルコム買収への対応策としてブロードコム買収を検討していると伝わっていたインテルも買われた。アナリストによる強気判断が相次いでいるマイクロン・テクノロジーへの買いも続いた。
航空会社のアラスカ・エア・グループは朝方発表した2月の輸送実績を手掛かりに買われた。ダウ平均銘柄では日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)や医療保険のユナイテッドヘルス・グループが買われた。