米国株、ダウ続伸 27ドル高 米中の貿易摩擦懸念が後退 ナスダックは反落
【NQNニューヨーク=横内理恵】12日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が続伸し、前日比27ドル86セント(0.1%)高の2万5998ドル92セントで終えた。米中が貿易協議を再開する可能性があるとの報道を受け、貿易摩擦への過度の警戒感が和らいだ。
12日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)がトランプ政権が通商問題で中国政府と交渉の場を持つことに意欲を示していると報じた。関係者の話によると、米政府が中国政府に今後数週間以内に閣僚レベルの会合を開くことを提案しているという。前週にはトランプ米大統領が現在検討している2000億ドル分に加えて2670億ドル相当の中国製品への関税発動の準備があると発言していた。
米政権が中間選挙前に対中強硬姿勢を強めるとの過度の懸念が和らぎ、海外売上高比率が高く貿易摩擦の影響を受けやすいとされる銘柄に買いが入った。ボーイングが2%あまり上げ、ダウ平均を約55ドル押し上げた。業界会合に出席したミューレンバーグ最高経営責任者(CEO)が「中国の顧客と良好な関係にある」と述べたと伝わったことも買いを誘った。
「生活必需品」や「電気通信サービス」など、相場全体から出遅れているとされる業種への物色も続いた。
ダウ平均は下げに転じる場面もあった。ゴールドマン・サックスが投資判断を引き下げたマイクロン・テクノロジーが大幅続落し、半導体株全般に売りが広がった。同日開催の新製品発表会で「iPhone(アイフォーン)X(テン)」の後継となる新製品3機種を発表したアップルにも利益確定売りが出て相場の重荷となった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落し、同18.245ポイント(0.2%)安の7954.229で終えた。アップルに加え、アルファベット(グーグル)やフェイスブックなど主要ハイテク株の一角が軟調だった。