米国株、ダウ反落 173ドル安、米中摩擦やイタリア政局に懸念
【NQNニューヨーク=横内理恵】20日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が4営業日ぶりに反落し、前日比173ドル35セント(0.7%)安の2万5962ドル44セントで終えた。米中貿易摩擦への根強い懸念や香港での大規模デモの継続、イタリア政局混乱などが相場の重荷となった。
前日までの3日間で約650ドル上げており、目先の利益を確定する売りも優勢だった。取引終了にかけて売りが膨らみ、この日の安値圏で終えた。化学のダウやクレジットカードのアメリカン・エキスプレス(アメックス)、医療保険のユナイテッドヘルス・グループなどを筆頭に幅広い銘柄に売りが出た。
イタリアのコンテ首相が辞任を表明したと伝わり、イタリア政局の流動化が避けられなくなったとの見方が広がった。欧州の主要な株式相場が全面安となり、投資家のリスク回避姿勢がやや強まった。欧州中央銀行(ECB)が9月の理事会で大規模な追加緩和に踏み切るとの観測などもあり、ドイツ国債利回りが低下し、米金利も下げた。利ざやが悪化するとの見方から銀行株への売りも目立った。
21日発表の7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨や、23日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を見極めたいとの様子見姿勢も買い手控えにつながった。
ダウ平均は小幅高に転じる場面があった。20日に2019年5~7月期決算を発表したホームセンターのホーム・デポが大幅高となり、ダウ平均を支えた。米政府がiPhone(アイフォーン)などを対中制裁関税の対象から除外する可能性があるとの思惑からアップルにも買いが続いた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、同54.252ポイント(0.7%)安の7948.560で終えた。