中曽根首相「寝たふり、死んだふり」
衆参同日選へ不退転
「本年は大波乱の年である」。1986年1月1日。首相、中曽根康弘は日記にこう記した。「死んだふり解散」を経て衆参同日選へ突き進む決意は早くから固めていた。
83年の前回衆院選で自民党は大きく議席を失っていた。官房長官を務めた後藤田正晴は回顧録で「中曽根さんの胸中は何としても失地回復したいということだった」と振り返る。
しかし誤算が起こる。衆院選挙制度改革だ。衆院議長の坂田道太は最高裁からの違憲状...
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り609文字