松浦晃一郎(9)援助外交
ODA規模・対象拡大に努力 中曽根首相訪韓へぎりぎりの交渉
1975年から2年半、80年から3年の合計5年半を経済協力局で勤務した。開発協力課長、政策課長、参事官を務めた。日本の対外援助は第2次世界大戦の戦後賠償として始まったが、私は68年にインドで開かれた国連貿易開発会議(UNCTAD)の第2回総会に出席して以来、日本は政府開発援助(ODA)の大幅増額と地域的拡大が必要であると感じていた。
開発協力課長時代は、国際協力事業団の新事業であるソフトローンに...
第8代ユネスコ事務局長の松浦晃一郎さんは、国連傘下の国際機関トップを務めた数少ない日本人です。外交官として機密情報を入手したエピソードから、国際機関における大国の主導権争いや激烈な選挙戦まで、生々しい裏話を明かします。新型コロナウイルスによる危機で国際機関の重要性が再認識されているいま、真の国際人育成が急務だと説きます。