松浦晃一郎(5)米国留学
新潮流学び、経済学に習熟 MIT進学を薦められる
1956年春、東京大学に入学した。文系にするか理系にするか、ぎりぎりまで迷った。その年7月に経済白書が「もはや戦後ではない」と宣言するが、当時の日本はまだまだ貧しかった。経済再建に尽くすには官僚になるのがよいと考え、主に法学部に進む文科1類を受験した。
政治学などの授業には真面目に出なかったが、語学は熱心に勉強した。英語、フランス語、ドイツ語に加え、ラテン語とギリシャ語も習った。さすがに手にあま...
第8代ユネスコ事務局長の松浦晃一郎さんは、国連傘下の国際機関トップを務めた数少ない日本人です。外交官として機密情報を入手したエピソードから、国際機関における大国の主導権争いや激烈な選挙戦まで、生々しい裏話を明かします。新型コロナウイルスによる危機で国際機関の重要性が再認識されているいま、真の国際人育成が急務だと説きます。