松浦晃一郎(2)命からがら帰国
下関の街の灯見てほっと 家族5人に救命具2個
出身地はどこかと聞かれると、山口県佐波郡島地村と答えることにしている。私が生まれた1937年(昭和12年)当時、両親は東京府荏原区(現東京都品川区)に住んでいた。いまの旗の台駅の近くである。
ただ、そこに家があったのは、三井生命保険(現大樹生命保険)に勤めていた父誠一の職場が東京だったからだ。父が生まれ、私も幼少期をすごした島地村がいちばんふるさとという感じがする。
母清子は山口市にあった造り酒...
第8代ユネスコ事務局長の松浦晃一郎さんは、国連傘下の国際機関トップを務めた数少ない日本人です。外交官として機密情報を入手したエピソードから、国際機関における大国の主導権争いや激烈な選挙戦まで、生々しい裏話を明かします。新型コロナウイルスによる危機で国際機関の重要性が再認識されているいま、真の国際人育成が急務だと説きます。