小林光一(19)日中名人戦
「負けられぬ戦い」制す 天才・馬さんと対戦、面目保つ
名人に返り咲いた1988年、日中名人戦がスタートした。その年に中国で「名人戦」が始まったのを機に、日中の名人同士を戦わせてみようという企画。両名人戦の主催者である朝日新聞社と人民日報社の共同主催で、私はこの対局に大変なプレッシャーを感じていた。絶対に負けられない戦いだったからだ。
84年に始まった「日中スーパー囲碁」という勝ち抜き団体戦で敗れ、丸刈りになった話は以前に書いた。これで中国内の囲碁人...
囲碁棋士で名誉棋聖の小林光一さんは歴代3位となるタイトル獲得数60を誇ります。21歳のとき、師匠・木谷実九段の娘で13歳上の禮子プロと結婚。タイトル戦で活躍し始めるのは30歳を過ぎてからで同門の趙治勲さんらと名勝負を繰り広げます。遅咲きの名棋士が半生を振り返ります。