香港ドル、安値圏で推移 資本流出なら下げ圧力
通貨番付
香港ドルは一定の範囲内で米ドルの値動きに連動するペッグ制を採用している。2005年に1米ドル=7.75~7.85香港ドルの取引バンドが導入され、上限か下限に達すると香港金融管理局(HKMA)が介入する仕組みだ。
足元は下限に近い安値圏で取引されている。7月に大型の新規株式公開(IPO)の観測から資金需給が引き締まり、一時1米ドル=7.7香港ドル台まで上昇したものの、8月以降は7.8香港ドル台での取引が続いている。
今後の注目点は大規模デモに伴う資金の動きだ。香港政府は「目立った資本流出の兆候はない」としているが、金融市場では「8月からマイルドな資本流出に転換した可能性がある」(野村証券)との見方がある。資本流出が強まれば、香港ドルの下げ圧力となる。
(香港=木原雄士)
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25日までの1週間でブラジルレアルが上昇した。年金改革による財政改善への期待からレアルが買われた。