絵師が描いた囲碁将棋(6) 歌川芳員「佐藤四郎兵衛忠信」(部分)
大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員 古作登
「碁盤忠信」で知られる佐藤四郎兵衛忠信は、平安時代末期に活躍した源義経の家臣だ。もともとは奥州藤原氏の配下で、藤原秀衡の命により義経の郎党として平氏追討に加わり、忠臣として活躍した。
忠信は江戸時代の浮世絵の中で最も多く描かれた武者の一人だ。義経とともに平氏を滅ぼしたのち、源頼朝の追っ手から命懸けで主君を守り、最期は逃避行を続ける義経のおとりとなって京都で敵に囲まれ奮戦ののち自刃したと鎌倉時代の...