公的医療保険とは 膨らむ医療費、保険料で5割賄う
きょうのことば
▼公的医療保険 国が財政運営や給付に関与する健康保険制度。日本はすべての国民が会社員や公務員、自営業などの属性に応じて健康保険に加入する「国民皆保険」を採用している。病院で治療を受けた時の自己負担は原則3割で、義務教育への就学前や70歳以上の高齢者は1~2割だ。70歳以上でも現役並みの所得があれば3割負担になる。
医療技術の高度化や高齢者人口の増加により国民医療費は拡大の一途をたどる。2000年度に30兆円だった医療費は16年度に42兆円を突破。人口1人当たりの医療費も16年度は33万円と00年度から4割増えた。医療費の5割は保険料、4割は税金で賄われている。事業主や会社員ら被保険者の負担感は年々厳しさを増している。
医療費のうち、薬剤費が占める割合は約2割。政府は医薬品の公定価格である「薬価」を定期的に引き下げることで、社会保障費の膨張を抑えてきた。白血病治療薬「キムリア」など薬価が1千万円を超えるような高額薬の登場が相次いでおり、医療保険財政をさらに逼迫する懸念がある。