メキシコペソ、荒い値動き 対米通商の不安定さ映す
通貨番付
メキシコの通貨、ペソの値動きが荒くなっている。4月からはおおむね1ドル=19ペソ台前半で推移してきたが、5月30日に米トランプ政権が移民対応を巡りメキシコからの全輸入品に追加関税を課すと発表すると経済への影響懸念から売りが先行した。1ドル=20ペソ近くまで急落して年初来安値を付けた。
メキシコ政府は急きょ外相らをワシントンに派遣。追加関税発動の無期延期で合意したことでペソは急速に値を戻したが、移民対応次第では再び関税発動の可能性が残る。北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定も米やカナダで批准の見通しが立っていない。
左派のロペスオブラドール政権による混乱で、経済成長は大幅に鈍化している。最大の貿易相手国である米国との通商関係次第ではペソが再び急落する局面も予想される。
(メキシコシティ=丸山修一)
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6月28日までの1週間の外為市場ではニュージーランドドルが上昇した。中央銀行が利下げを見送ったことで買われた。