非武装地帯とは 朝鮮半島では南北対話窓口の役割も
きょうのことば
▼非武装地帯 停戦状態にある国家や軍事勢力の間で、衝突を防ぐために条約や協定に基づいて設置する軍事活動が許されない地域。英語ではDemilitarized Zoneで、略してDMZと呼ばれる。朝鮮半島におけるDMZは、1953年の朝鮮戦争の休戦協定に基づいて設定された。北緯38度付近の韓国と北朝鮮の軍事境界線から南北に2キロメートルずつ、面積にして約907平方キロメートルの地帯が該当する。
朝鮮半島のDMZは南北の緊張関係を象徴する一方、南北の当局者会談がしばしば開かれるなど対話の窓口としての役割も果たしてきた。軍事境界線上の南北双方が共同で管理する板門店はDMZ内にある。板門店はソウルから約60キロメートル、平壌から約180キロメートルに位置する。DMZ内では武器の持ち込みは拳銃などの軽武装に限られ、戦車などの重火器は禁止されている。
2018年4月に北朝鮮の金正恩委員長は北朝鮮の指導者として初めて軍事境界線を徒歩で越え、韓国側施設「平和の家」で韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談した。02年にはブッシュ元大統領、12年にはオバマ前大統領ら、米大統領は過去にもたびたびDMZを視察し、在韓米軍を激励してきた。軍事境界線を越え、北朝鮮側に足を踏み入れた米大統領はトランプ氏が初めてとなる。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。