石原信雄(28)阪神大震災
復興対策を最後に退任 縁のなかった都知事
1995年(平成7年)1月17日朝、散歩中にNHKラジオで阪神大震災の第一報を聞いた。午前9時過ぎ、首相官邸で会議に出ていると犠牲者が100人を超えそうだという情報が入り、事態の重大さを認識した。私は中座し、国土庁に非常災害対策本部の立ち上げを指示した。
情報収集は難航した。国土庁は定員不足で宿直を置いていない。兵庫県庁の防災無線はつながらず、警察電話で兵庫県警から警察庁に伝え、官邸に上げた。そ...
内閣官房副長官として昭和から平成にかけて7人の首相に仕えた石原信雄さん。竹下登内閣では消費税導入、昭和天皇の崩御と改元に立ち会いました。「私の履歴書」では、幼少期からの足跡をたどります。