米中貿易戦争の行方(上) 戦後貿易秩序の弱体化 懸念
木村福成 慶応義塾大学教授
○関税戦争の負の経済効果はさらに顕在化
○政策目的明確化が正しい政策策定に必要
○貿易ルールに反する日米交渉合意避けよ
楽観論が優勢だった米中関税戦争は、5月に入り再び混沌としてきた。中国からの交渉揺り戻しに対し、米国が制裁関税第3弾として課した関税を10%から25%へ引き上げた(図参照)。中国も新たな報復措置の検討を始め、さらに米国は消費財を含む全品目を対象とする第4弾の実施をにおわせる。交...
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