人外 松浦寿輝著
感傷なき孤独 軌跡は鮮やか
人外と書いて「にんがい」と読む。「じん」とは濁らない。音の響き一つのことだが、本書に表された柔らかな言葉の流れは、確かに「にんがい」と呼ぶのに相応(ふさわ)しい。抽象度の高い漢語を少なからず含みながら、かな文字の身体性が際立っていて、その力がここに様々な「流れ」を作りだしている。
疾走する人外の流れ、川の流れ、風の流れ、想念の流れ。それらはイメージのなかで、今を移ろう抽象的な生命体の流れへと合流...
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感傷なき孤独 軌跡は鮮やか
人外と書いて「にんがい」と読む。「じん」とは濁らない。音の響き一つのことだが、本書に表された柔らかな言葉の流れは、確かに「にんがい」と呼ぶのに相応(ふさわ)しい。抽象度の高い漢語を少なからず含みながら、かな文字の身体性が際立っていて、その力がここに様々な「流れ」を作りだしている。
疾走する人外の流れ、川の流れ、風の流れ、想念の流れ。それらはイメージのなかで、今を移ろう抽象的な生命体の流れへと合流...
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