FTAとは 複数国で貿易ルール策定
▼FTA 複数の国や地域の間でモノやサービスの貿易を円滑にする取り決めのこと。輸出入にかかる関税を引き下げたり、撤廃したりすることで農産品や工業品を安定的に輸入したり、企業が海外で活動したりしやすくする。海外と日本では関税率を引き下げるタイミングが異なる。日本では段階的に関税率を下げる品目の場合、発効日に1年目の引き下げをしたあとは毎年4月1日に下げる。日本以外の国は毎年1月1日に下げる。
自由貿易協定(FTA)と比べ、経済連携協定(EPA)は知的財産の保護や電子商取引の円滑化など、より広い分野での貿易のルールを定める。日本は2002年にシンガポールと結んだ協定を皮切りに、これまで18の貿易の自由化に関する協定を結んできた。18年末に発効した環太平洋経済連携協定(TPP)は、米国を除く参加11カ国とEPAを結んだものと位置づけられる。
貿易に対して似た考えを持つ少数の国や地域で協定を結ぶ機会が増えている背景には、世界貿易機関(WTO)の弱体化がある。かつては多国間の貿易ルールづくりで主導していたが、先進国と途上国の意見の違いなどで合意形成が難しくなっている。
農産品輸入、米国離れ 牛肉・豚肉のシェア低下