五百旗頭真(9)広島大へ
荒れる京大 離れ就職 団交に負けぬ学長に驚き
「石原莞爾と満州事変」についての修士論文に取りかかった頃だったろうか。猪木先生がある日突然言われた。「いおきべ君、こんな大学院に長くいたら駄目ですよ。早く就職した方がいいです」
政治学分野の大学院は6人が同年同室で、4人は民青系、1人が全共闘系で、ノンポリ(非左翼系)は私一人だった。多勢に無勢で時にいじめられがちなことを先生は耳にされたのだろうか。
ただ、父を見て育った私にとって学者の道は貧乏を...
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り1111文字