サントリー、初の3連覇かかる/神鋼、15季ぶりVめざす
ラグビーTL15日決勝
ラグビーのトップリーグ(TL)兼日本選手権の決勝、神戸製鋼―サントリーが15日、東京・秩父宮ラグビー場で行われる。戦力充実の神鋼が勝てば15季ぶりTL優勝、王者サントリーが勝てばチーム初のTL3連覇となる。
サントリーはここまで苦戦が続いた。外国人枠増加の恩恵にあえて浴さず、日本人主体で戦ったが、連続攻撃の威力は減少。リーグ戦とトーナメントで挙げた8勝のうち4試合が3点差以内。神鋼には9月のリーグ戦で完敗した。ブレイクダウン(BD)と呼ばれるタックル後の密集戦で圧倒され、攻守交代から速攻で次々失点した。
雪辱を期す一戦。「結局はBDだと思う」とロック真壁。敗戦から学び、ランナーが孤立するシーンは減った。ヤマハ発動機との準決勝では「BDで速く球を出し、攻撃を続けられて自信になった」とFB松島は話す。苦戦の連続で反則しない我慢強さなどが磨かれ、かえってしぶとくなった面もある。
神鋼は元ニュージーランド代表コーチのスミス総監督が就任半年でチームを一変させた。スペースにボールを運ぶスタイルが根づき、オーストラリア代表117キャップのCTBアシュリークーパーらに加え、FW陣も走力がある。ここまでボールを持って走った総距離5445メートルはリーグ断トツの数字だ。
その強みを引き出すのが世界最高の司令塔カーター、日和佐のハーフ団。古巣との対決となる日和佐は「やってきそうなことは大体わかっているつもり」と語る。1995年までの日本選手権7連覇を知る選手が去った後、初のタイトルが懸かる一戦。橋本大ゲーム主将は「先制パンチで自分たちの土俵に引きずり込みたい」と燃えている。
(谷口誠、合六謙二)