ピンドゥドゥ 共同購入でいいもの安く
チャーリーの丸わかりビジネスモデル(14)
電子商取引(EC)の新星ながら、中国を席巻する可能性を持つこのサービスを知っているだろうか。共同購入サービスの「ピンドゥドゥ」は、目の付けどころがユニーク。ゲームのミッションに挑戦するような共同購入サービスだ。例えば、共同購入者の目標をクリアすると割引特典がついてくる。購入者が親戚や友人などにSNS(交流サイト)で声をかけて、共同購入を宣伝させるという独特の仕組みだ。
中国では友人や親戚を信じて購入するという文化が強いため、急速に拡大した。すでに1700万以上ダウンロードされている。創業から2年半でユーザー数は3億人、流通総額は740億ドルに達した。
驚くべき成長の背景には、主要株主であるテンセントのSNSアプリ「微信(ウィーチャット)」との連動がある。購入者が友人にセールスするピンドゥドゥのサービスと相性がよかった。影響力が高いインフルエンサー的なユーザーには、商品を無料で提供されるなどユーザーメリットもある。
共同購入数があらかじめわかることで、生産ラインも改善できる。製造工場では、商材によっては大量生産によって大幅にコストを削減することができるために、ユーザーには破格の価格で商品を届けられるC2M(Customer to Manufacturers)のビジネスモデル。いくつもの要素をうまく組み合わせた美しいビジネスモデルである。
(おわり)
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近藤哲朗(チャーリー)氏の「ビジネスモデル2.0図鑑」(KADOKAWA)を基に連載しました。
[日経MJ2018年11月28日付]