プチローソン 置き菓子も電子決済
チャーリーの丸わかりビジネスモデル(12)
2017年7月、大手コンビニエンスストアチェーンのローソンが満を持して始めた置き菓子サービスの「プチローソン」。「オフィスグリコ」など先行しているオフィス内の置き菓子サービスは、現金を直接払う形が一般的で、回収するときの利便性なども踏まえて100円など固定の金額に設定されることが多かった。プチローソンの特徴は、業界初の電子決済を導入したところにある。
現金払いの置き菓子サービスは100円から大きく外れる商品構成は難しく、置かれる商品の種類は制限されがちだった。しかも、善意によって成り立つ現金回収は、場所によっては回収率が悪くなるといった話も聞く。
プチローソンは電子決済によって、商品の金額を固定化する必要がなくなった。結果、商品の価格帯に制限がなくなり、商品のラインアップが多様化した点が強み。飲み物を入れる冷蔵庫やアイスなどを入れる冷凍庫、コーヒーマシンなどの設置もできる。
ローソンのコンビニの販売データを活用し、トレンドを分析して陳列することができる。売れ行きが即時データ化されていくので、欠品の対応や売れ筋商品の拡充もしやすい。事前にデータを分析したうえで在庫を選定して配送できるため、販売員(業者)の回収効率もアップする。
置き菓子サービスはオフィスグリコが先駆者だったが、電子決済の流れが加速すると、お菓子以外の販売データを大量に持っているコンビニは後発の参入でもシェアを拡大する可能性がある。キャッシュレスの波は、置き菓子サービスでさえも飲み込んでいきそう。
[日経MJ2018年11月14日付]