日本の科学研究費とは　将来性あるテーマに支給

▼日本の科学研究費　新しい製品やサービスにつながる研究に投じる研究費。総務省の科学技術研究調査によると、2016年度は前年度比2.7%減の18兆4326億円。企業が13兆3183億円と約7割を占める。大学などは3兆6042億円にとどまる。総額が国内総生産（GDP）に占める比率は3.42%。主要7カ国（G7）と中国、韓国、ロシアの中では韓国に次ぐ2番目だが、総額では米国や中国を大きく下回る。

日本の科学研究費のうち、優れた研究テーマを公募する政府の競争的資金の5割以上を占めるのが科学研究費補助金（科研費）だ。大学や公的機関、企業の研究者から自由な発想の研究を提案してもらい、将来性のあるテーマに支給している。18年度の予算額は2286億円。人文学から自然科学まで幅広い学術研究が対象になる。

最近は主要分野で10万件を超える新たな応募があったが、採択は2万5千件程度。研究者の自由な発想を育む役割が期待されているが、科研費の予算額はほぼ頭打ちになっている。