b8ta 小売店で新製品テスト
チャーリーの丸わかりビジネスモデル(7)
「b8ta(ベータ)」は製品を販売しながら、ベータテストと呼ばれる製品の運用試験ができる小売店。米西海岸のサンフランシスコなどに9店舗を展開し店内にはKickstarter(キックスターター)といったクラウドファンディングから生まれた最先端の製品が数多く並ぶ。ドローンや電動スケートボードなど見ているだけでワクワクするような製品ばかり。
来店客は常に最先端の製品に直接触れることができ、気に入ればその場で注文もできる。店内の天井にはカメラが設置されており、視線を計測するアイトラッキングや画像解析で複数の角度から来店客の動きや、製品まわりでの手の動きなどを検出。「興味を持った」「気づきを得た」「実際に手に取って試した」来店客数を集計している。
b8taの面白いところはそれだけではない。b8taのスタッフは来店客にほとんど話しかけない。「商品を積極的に売らない小売店が成立するのか?」と思うかもしれないけれど、同社の場合はそれが成り立つ。
なぜなら、b8taに出品するメーカーは、スタッフが来店客から自然な形で聞き出した感想や購入意向、買わない理由などの情報を得ることを得たいからだ。b8taはメーカーから製品の出品料を月額固定で得ているため、スタッフも無理して商品をすすめる必要がない。
メーカーはデータをほぼリアルタイムで得られるため、効果的な製品改良やマーケティングにつなげられる。ソフトバンクグループのヒト型ロボット「ペッパー」の米国進出のマーケティングでも活用された。
[日経MJ2018年10月3日付]
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