検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

日本のスクラム、細部徹底で成長 ラグビーW杯まで1年

詳しくはこちら

ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会の開幕まで20日で1年となる。日本代表は初の8強を目指す旅路の最終コーナーに入る。

資料100ページ、独自用語も100近く

時にラグビーの代名詞のように語られるスクラム。巨漢8人ずつの押し合いは、かつて小柄な日本代表の弱点だった。しかし、今や世界と戦う土台になりつつある。細部の突き詰めと改善を繰り返した成果である。

「時速50キロの車の衝突事故」「体重3~4トンの犀(さい)を背負う」。トップレベルのスクラムの衝撃は様々に例えられる。単なる力比べにも聞こえるが、日本代表の長谷川慎コーチは「スクラムのディテールを書いた資料を100ページくらいつくっている」と言う。

ヤマハ発動機のFWを国内最強のスクラム集団に育てたこの職人肌のコーチは、8人の動きを細分化し、厳格な手順を定めている。独自のスクラム用語も100近くある。その一つが「4ポイント」だ。

FW8人が横3列になるスクラムでは、2、3列目の5人は主審のコールが掛かる前に膝を地につけておく。前の味方の尻に肩をつけるためだが、この時に足首を伸ばし、正座をする選手が多い。日本代表はこの正座を廃し、やや窮屈だが足首を曲げて足裏の先を接地させる。スパイクの底の突起(ポイント)の前4本を芝に刺すことまで決まっている。この一連の流れを「4ポイント」と名づけたわけだ。

眼目は足の置き場所を早く固定することにある。この後、5人は主審のコールで膝を上げ、スクラムを組む。「最初からポイントを芝に掛けておけば、一番強い姿勢を一発でつくれる」と長谷川氏。「4つの工程を1つに減らせる」利点もあると語る。すなわち、2本の足を順々に固定し、左右の膝を順々にあげるという連動を一挙動に集約する。工場の製造ラインを合理化するようなものである。

スクラムは相手の重みを直接受け止める最前列の3人が主役とみられがちで、後ろの5人の、組む前の靴の使い方まで定める例は世界でも珍しい。姿勢の乱れを最小限に抑えるため、日本代表は5人が膝を上げるタイミングも合わせる。こうなると、アーティスティックスイミングのような芸術性さえ帯びる。

企業秘密も多いという100の用語は「8人の力を漏らさない、海外勢の力を出させないスクラム」という長谷川氏の理想から生まれた。

W杯を戦った元日本代表の同氏は体重や筋力だけでなく、体の構造でも日本人は不利とみる。「外国人は体のコア(体幹)が長く、うーっと伸びる」。組んだ後の一伸びでさらに前に押す怖さがある。

対抗のすべはあるか。「日本の選手は100回のルーティンをやれば90回同じにできる。多くの海外勢は毎回バラバラ」。勝機は全体の意思統一にありと同コーチ。日本のスポーツが世界で戦うときの正道である。

イタリア戦、ジョージア戦で手応え

歩みは確かだ。6月、日本はイタリア、ジョージアというスクラム強国と3連戦した。マイボールのスクラムは全ての球を確保。質の高い攻撃につなげた。1試合で十数回発生し、攻守の起点となるスクラムの安定は大きな意味を持つ。

15年W杯でも日本のスクラムはフランス人コーチのもとで健闘。確かな土台があった点は同じでも、方向性はいまと違った。「あの時は左右に角度をつけて組んでいた」と当時からの主力選手が言う。相手の隙間を突けるが、反則と紙一重だった。「今は世界で一番、真っすぐに組んでいる」と感触を語る長谷川コーチは、野球の投手に例えて今後の長期展望を語る。「まず170キロの直球を投げる。変化球はその後」と。

今は真っ向勝負ゆえの弱みもある。6月は相手ボール時に反則を犯した。「引き出しを増やさないと。やることはいっぱいある」。この2年弱、スクラムのまとまった練習時間は限られていたが、来年になれば長期合宿が組まれるはずだ。

「めちゃくちゃ楽しみ。いろんな事ができる」。目を輝かせるコーチの頭の中で、いくつもの試案が生まれている。例えば、同じ4ポイントでもポジションごとに細部を変えてはどうか。高性能のスクラムで押せば押すだけ、日本は目標のW杯8強に向かって前進する。

(谷口誠)

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_