「地球の限界」超えぬ成長を ヨハン・ロックストローム氏
ストックホルム・レジリエンス・センター所長
地球はいまから1万1700年ほど前に最終氷期を抜け、地質学で「完新世」と呼ばれる時代に入った。温暖で調和のとれた環境が続き、人類の繁栄の基礎になった。しかし工業や農業を含む人間の活動が1950年代から劇的に加速し、地球に大きな負荷をかけている。人類が地質学的な規模の影響を及ぼす「人新世」の時代に移行しつつあるのだ。
完新世は、(キリスト教で楽園とされる)「エデンの園」と言ってもいい。人新世に完全...