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M字カーブ 「谷」緩やかに 30~40代女性の離職に歯止め

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女性の就労が増えている。労働力としてみなされる女性の割合を示すグラフをみると、30~40歳代の部分が顕著に落ち込む「M字カーブ」と呼ばれる特徴が薄れ、米国や欧州各国などに似通ってきた。育児休業など企業側の制度整備が進んだことや働く意欲を持つ人が増えたことが大きいが、待機児童の解消はなお道半ばだ。働きやすさと労働の質を高めるさらなる工夫がいる。

デイサービス(通所介護)大手のツクイは従業員の75%が女性だ。働き手の確保のため介護施設内に託児所を設け、0~2歳児の子供が5人いる。ある従業員は「休憩時間をつかって子供の様子を見に行けるので安心」と語った。

総務省の7月の調査によると15~64歳人口に占める女性の労働力の割合(労働力率)は69.7%で、働く女性は着実に増えてきた。年代別ではM字の谷に相当する35~44歳の労働力率が前年同月比0.7ポイント増の75.3%。10年前の2007年7月と比べると全ての年代で上昇し、全体的に底上げされている。

米欧に近づく

15年時点では米国や英国、北欧地域とは大きく異なるカーブを描いていた日本。近年は米欧とほぼ遜色のない形に近づいており、女性の労働市場は歴史的な構造変化を遂げつつある。

女性の就労が加速した最大の理由は、企業が離職防止に取り組んできたことだ。女性の育休取得率はやや低下傾向にあるとはいえ8割超で推移している。育休中の生活を支える政府の育児休業給付金の受給件数は、06年度の13万件から16年度の32万7千件へと2倍以上に増えた。

高齢化で15~64歳の生産年齢人口はこの10年で700万人以上も減った。その一方で実際に働いている労働力人口をみると同じ時期におよそ50万人増えた。女性だけに限れば約200万人増え、M字の底を押し上げるのに大きく貢献したことがわかる。働き口も高齢化でニーズの強まる医療・福祉業など裾野が大きく広がっている。

大和総研の鈴木準政策調査部長は25~44歳女性の就業率について「このままのペースで伸びれば22年には80%に到達する」と話す。国立社会保障・人口問題研究所の試算をもとに計算すると22年に25~44歳女性の就業者数は16年と比べて200万人以上減る見通しだが、就業率が80%に上がることで減少幅は46万人で済む。政策努力などでさらにこの比率を高めることができれば、減少を食い止めることができるかもしれない。

もっとも楽観的な見方を戒める声も目立つ。第一生命経済研究所の柵山順子氏は「M字カーブの完全解消には保育所不足などがハードルになるだろう」と分析する。

ここ数年で女性の就労が政府の想定以上のテンポで進み、待機児童は減るどころか2万6千人強に膨らんだ。政府は22万人の保育枠を追加整備する方針だが、都市部の整備が遅れるミスマッチを解消するのはやさしくない。

賃金は伸び鈍く

生産年齢人口の急激な減少が進む中で女性の就労をさらに後押しするには企業の一段の取り組みも重要だ。オリックスは配偶者の転勤で現在の勤務地で仕事が続けられない場合、勤務エリアを変更できる制度を昨年3月に導入。配偶者の転勤で退職を選ぶ社員も多かったが「キャリアを途中で諦めなくてすむので好評だ」(同社)。ユニ・チャームは全社員を対象に在宅勤務を導入。ネスレ日本は昨年に在宅勤務の制約を緩和し、上司の許可があれば理由に関係なく会社以外で勤務できるようにした。

経済成長の土台を確かなものにするにはM字カーブを解消し、労働力を底上げするのは理想的な方向だ。とはいえ夫の収入が低迷するなどしてやむを得ずパートなどで働きに出る女性もまだ多く、賃金の伸びは鈍い。

さらに女性の就労を後押しするには育児休業などの整備を加速させるのはもちろん、生産性向上と賃上げなどで働き手に報いる努力が必要だ。離職者向けの再就職支援、学び直しの機会の提供など、様々な手立てを講じることも欠かせない。

(矢崎日子、潟山美穂)

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