作家 嵐山光三郎 自家製おみくじ
晩年の永井荷風は、浅草観音様のおみくじ「大吉」を4つに折って肌身はなさず持っていた。浅草寺のおみくじはなかなか大吉が出ないから、大吉が出るまで何度もひいた。運やつきを強引にひきつける執念が荷風流で、私もそれにならっている。
大吉から大凶までの託宣を読みくらべてみた。願事(ねがいごと)の大吉は「叶(かな)う」、中吉は「目上に相談すべし」、小吉は「他人の助けありて早く叶う」、末吉は「努力なしには叶わ...
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