ECB ラガルド体制の課題(上)金融政策依存、新総裁の重荷
有吉章・国際大学特任教授
11月1日、クリスティーヌ・ラガルド前国際通貨基金(IMF)専務理事が欧州中央銀行(ECB)の第4代総裁に就任する。
まずは前任のマリオ・ドラギ総裁の任期中のユーロ圏とECBの動向を振り返ってみよう。ドラギ氏はユーロ危機が深刻化し、ユーロ圏崩壊の可能性さえ心配された2011年11月に就任し、「必要なことは何でもやる」と宣言し、国債買い取り制度の創設などで危機の拡大阻止に成功した。
だが危機の後遺...
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