立秋に「禾」の由来をたどる
阿辻哲次
八月八日は「立秋」であった。テレビの天気予報でよく耳にする表現を使えば「暦の上ではすでに秋」で、毎年のことながら、まだお盆も過ぎていないが、この酷暑続きに、早くも秋が待ち遠しいことである。
「秋」という漢字を漢和辞典で引くには、《禾》という部首を探さなければならないことは常識で、さらにそれが「のぎへん」という名前であることも、ここにいまさら書き記す必要もないことだろう。
しかし「のぎへん」の「の...
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