文化多様化が生んだ「異体字」
阿辻哲次
自分の姓にある漢字について、独自の主張やこだわりをもつ人が世間にたくさんおられる。「富」に対する「冨」、「島」に対する「嶋」、「梅」と「楳」、「秋」と「穐」、「辺」と「邊」と「邉」など、世間で日常的に書かれる漢字とはちがう形の文字を姓に使っている人が、どなたのまわりにもきっとおられることだろう。
漢字には発音と意味は同じだが形がちがうグループがあり、そのうち標準的な字形として社会に定着しているも...
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