切り株の縁 東英弥
「おい、なんでこの木を切ってしまったのか」。20年前、若芽が生え始めたクスノキの切り株に水まきをしてると、不意に背後から話しかけられた。それが縁で、和歌山県にある熊野本宮大社の九鬼家隆宮司と友人付き合いが続いている。
声の主は家隆氏の父親で先代の宗隆宮司だった。東京・南青山にある当時の宣伝会議本社ビルの敷地にはクスノキの大木の切り株が残されていた。この土地は入札案件で、私が落札した時は既にクスノ...
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