東芝問題と「建設的曖昧さ」
日本取引所自主規制法人理事長(元金融庁長官) 佐藤隆文
東京証券取引所に上場する企業の審査を担う日本取引所自主規制法人の理事長として、東芝の会計不正問題に向き合った。東芝は上場廃止のおそれがある「特設注意市場(特注)銘柄」に指定されていたが、2017年10月に自主規制法人の理事会が特注指定の解除と上場の維持を決めた。判断基準が曖昧で投資家を混乱させた、との議論が聞かれたので、「建設的曖昧さ(constructive ambiguity)」という考え方...
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